事業承継

中小企業にも高齢化の波は到来しています。経営者の多くは、ご自分の事業や後継者について次のようなお悩みを抱え、少なからず事業承継への不安を感じていらっしゃるのではないでしょうか。

  • 後継者がいなことから、廃業も視野に検討している
  • 自分の子供のうち誰を後継者にすべきか悩んでいる
  • 従業員の後継者候補が、株式を譲り受ける資金が足りないと困っている
  • 事業を売却すべきか迷っている

当事務所では、事業承継でお困りになっている経営者の皆様に対するサポートを行っています。

1.事業承継について

事業承継は承継先によって、次の3つに大別することができます。

  • 親族への承継(親族内承継)
  • 従業員・経営陣・知人などへの承継(親族外承継)
  • 第三者への承継(M&A)

1-1.親族内承継

親族内承継とは、お子さんなど経営者の親族が事業を継ぐことを指します。気心が知れた親族ならば、経営者の皆様も安心して事業を任せることができるでしょう。

親族内承継では、経営者から親族へ贈与や相続によって株式を承継するのが一般的です。納税猶予制度(※の適用を受けることができれば、税金面でも有利となります。

ただし、親族だからと言って贔屓せずに経営者としての素養を育てる必要があり、後継者教育に重きを置かなければなりません

また、後継者となる親族が他にやりたいことがある、親族間で争いがある、経営者としての資質に欠くころがあるなどの問題を抱えたまま無理をして継がせると、経営がうまくいかないこともあります。

※ 令和6年3月31日までに特例承継計画を提出することで、平成30年1月~令和9年12月の贈与・相続により取得した対象会社株式の相続税・贈与税の納税を猶予・免除する制度。要件など詳しくは、お問い合わせください。

1-2.親族外承継

従業員や会社経営陣、知人などの親族以外の会社関係者から後継者を選び事業を承継することを親族外承継と呼んでいます。親族外承継では、一般に後継者に自社株式を譲渡して事業を承継します。

親族外承継は、後継者選びに時間をかけることができ、後継者が苦楽を共にした従業員や経営陣であれば、事業内容もよく把握しています。

ただし、経営者から後継者へ株式の譲渡をすることから、現経営者には譲渡代金が入る一方、通常は従業員などに、株式に見合うまとまった資金がない点が問題となります。こうしたケースでは、分割払いという選択肢も考えられます。

1-3.第三者への譲渡(M&A)

親族や従業員、経営陣などへの事業承継ができなければ、外部の第三者に対する事業譲渡としてM&Aを検討することになります。M&Aは、株式を譲渡することで、第三者に会社や事業を承継します。

一般に、M&Aでは、仲介会社が広く買い手を求めることになります。仲介会社は会社の資産・負債を調査し、健全性、収益性、将来性などの面から会社を洗い直して(デューデリジェンス)株式の評価に反映します。企業価値が毀損すれば株式評価額は下がるため、慎重な事前準備が必要です。

また、仲介会社へ支払う報酬も多額になることが多くなります。

1-4.事業承継での持株会社の利用

最近では、現経営者の持株に相続が発生せず遺留分の問題を考えずに済むため、現経営者または後継者が持株会社を設立し、持株会社が現経営者の株式を買い取って、後継者は持株会社の株式を保有する手法が取られています。

事業承継のコラムはこちらをご覧ください

2.事業承継についてのよくある質問(FAQ)

事業承継で発生する税金は?

親族内承継で発生する税金

親族内承継では、贈与や相続によって経営者から後継者へ自社株式を承継するため、贈与税や相続税が発生します。

その際に役立つのが、事業承継税制です。令和6年3月31日までに特例承継計画を提出し、一定の要件を満たすことができれば、相続税・贈与税の納税を猶予・免除することができます。

親族外承継で発生する税金

親族外承継では、譲渡によって自社株式を後継者に移転します。

株式譲渡により譲渡益が発生すると、譲渡した経営者には、譲渡所得税(所得税15%と住民税5%)が発生します。

株式を無償で譲渡したとしても、譲受人である後継者に贈与税が発生する可能性が高くなります。

事業承継は誰に相談すべき?

事業承継を相談できる公的窓口

事業承継を相談できる主な公的窓口は、次の通りです。

事業承継引継ぎ相談窓口・事業引継ぎ支援センター

全国47都道府県の各認定支援機関(商工会議所など)に設置される「事業承継引継ぎ相談窓口」では、事業承継についての情報提供やアドバイスを無料で受けることができます。

「事業引継ぎ支援センター」は、北海道、宮城県、東京都、静岡県、愛知県、大阪府、福岡県の全国7か所に設置されている事業承継のアドバイスを受けられる公的機関です。

M&Aのマッチング支援も行っており、譲受候補企業の承継を受けることができますが、M&Aの相手側との直接の交渉を行っていないことが難点です。

商工会議所

各市町村に設置されている商工会議所では、経営者向けに様々なサポートを行っており、事業承継を相談することもできます。

商工会議所のメンバーになっていれば、ほとんどのサービスは無料で受けることができます。

ただし、商工会議所で相談し、情報を取得できたとしても、最終的には専門家の力を借りなければ、事業承継を完遂することはできません。

その他事業承継を相談できる窓口

その他にも、事業承継の相談先は多数あります。

金融機関

普段からお付き合いのある銀行などの金融機関にも、事業承継の相談をすることができます。事業承継専門の窓口を開設したり、セミナーを行ったりする金融機関もあります。

ただし、金融機関が提携する士業やコンサルティング会社を紹介されるだけといったケースや、事業の承継先が金融機関の取引先に限定されてしまうケース、そうした場合には、承継先に融資を継続したいため、承継先に有利な事業承継となる可能性も考えられます。

事業承継のコンサルティング会社

後継者をご自分で探すことができず、M&Aを検討している方は、事業承継のコンサルティング会社に相談することで、専門的なサポートを受けることができます。

ただし、多額の報酬が発生する可能性があります。

弁護士

事業承継を得意とする弁護士は、多数存在し、事業承継の相談先として選択肢の1つとなります。

弁護士には、株式承継のサポートや、親族内承継での相続トラブルの解決、交渉の調整から取引先との契約書の整備、事業承継計画の立案や実行などまで依頼することができます。

ただし、事業承継には、財務や税金をサポートしてくれる税理士との連携が必要となるでしょう。

税理士・公認会計士

顧問の公認会計士や税理士が、事業承継の相談先になることは多いでしょう。しかし、中小企業で、公認会計士を顧問にしているところはそう多くはないはずです。

そのため、事業承継で一番身近な相談先は、顧問税理士ということになります。顧問税理士であれば、会社の財務状況や経営状態をしっかりと把握していることから、スムーズに事業承継を行える他、その後の経営にも的確にアドバイスすることができます。

ただし、税理士だからといって全員が、事業承継についての知識や経験があるわけではありません。

3.事業承継を上原会計事務所に依頼するメリット

当事務所には、親族内承継や親族外承継についての豊富な経験・知識があります。

ここでは、事業承継を弊所へご依頼いただくメリットを具体的にご説明します。なお、弊所の事業承継プランの費用については、次のページをご覧ください。

事業承継の費用はこちらをご覧ください

メリット➀事業承継計画立案のための現状把握

現状に沿った事業計画を策定するためには、現状把握が何より大切です。当事務所では、次の事項について丁寧にヒアリングを行います。

  • 会社の現状把握
    従業員の数・年齢など
    財務内容
    株主の状況
  • 経営者個人の現状把握
    年齢・承継の時期
    保有株式数
    経営者個人名義の資産
    経営者個人の保証債務・担保の提供について
  • 後継者候補の把握
    親族内承継の候補者がいるか
    親族外承継の候補者がいるか
    候補者の適正・能力について
    株式の保有状況
  • 相続時の問題点
    各法定相続人の状況や関係
    各法定相続人の株式の保有状況
    相続財産の特定、相続税額のシミュレーション、納税資金対策

詳細な聞き取りからご依頼者様の企業の現状をしっかりと把握して、問題点を洗い出し、対策を講じて事業承継計画に反映させます。

メリット②事業承継に向けた経営改善

事業承継に向けた企業の経営改善についても、私たちが会計事務所として本領を発揮いたします。

親族内承継

従業員や第三者への承継とは異なり、親族へ事業承継する際には、「父親の会社だから」「何とか子供に引き継いでほしい」「このまま潰すのはもったいない」といった「情」の部分が大きく左右し、会社の悪い部分や古い体質をそのまま承継してしまうことがあります。

仮に、こうした会社を仲介会社が評価したら、第三者への譲渡対象から外れてしまうかもしれません。

将来性のある魅力的な会社にするためには、親族内事業承継であっても、「情」を断ち切って会社を見直し、事業承継を前提として会社の財務・経営の磨き直しに注力しなければなりません。私たちは、この部分でも力を発揮いたします。

親族外承継

従業員や経営陣などへの親族外承継では、後継者が経営方針や組織文化などに慣れ親しんでいるため、事業承継事態はスムーズに行うことができます。

一方で、会社の多くを深く理解していることから、大胆な経営や財務の刷新が難しいことがあります。

こうした部分でも、私たち会計事務所が事業承継を前提とした経営改善を通して、お力になれることが多々あると考えています。

メリット③各企業に寄り添った事業承継計画の立案

人の人格や個性は、一人一人異なります。同様に、企業もそれぞれ異なった事業内容や組織、事情、問題を抱えています。

当事務所では、ご依頼者様に真摯に向き合いながら、ご事情に沿った事業承継計画を立案させていただきます。

例えば、次のような解決事例がございます。

解決事例はこちらをご覧ください

メリット④手厚い事業承継後のサポート体制

事業承継では、アフターケアも重要になります。

当事務所では、事業承継後も長期のサポートが可能になるように、事業承継と法人顧問契約とを共にご依頼をいただいております。

事業承継後には、顧問契約により、財務・経営改善のための様々なアドバイスをさせていただきます。

メリット⑤他士業との連携によるサポート体制

事業譲渡には、少なくとも、以下の知識・経験が求められますが、当事務所には、弁護士や社会労務士が常駐しています。

  • 税務
  • 法務
  • スキーム策定
  • 補助金制度
  • 資金調達

弊所では、以上の知識・経験に加え、社会労務士が在籍していることから、人事・労務に関するコンサルティングも可能となっており、事業承継については、スタッフ全員が一丸となってサポートさせていただきます。

メリット⑥立川駅から徒歩5分

当事務所は、JR立川駅の北口から徒歩5分というアクセスの良い立地にあります。ご相談者様の負担にならないようにしたいという思いからの選択です。

もし、後継者が見つからず廃業を検討している経営者様や、事業承継でお悩みの経営者様がいらっしゃいましたら、是非一度、ご相談ください。私たちには、様々なご提案が可能です。ご相談いただける環境を整えてお待ちしております。

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